私の声を聞き、家族みんなですぐに病院に駆けつけてくれた

私は少し泣いてスッキリしたのか
少し平常心を取り戻していた
この時は、本当の1型糖尿病の恐ろしさなど
まだ知らなかったからだ

家族が来て、またあの個室に呼ばれ
先生が家族に向かって検査結果の話をした

『娘さんは、劇症１型糖尿病です』

その瞬間、母が泣き崩れた

私は正直とてもビックリした

人前で泣く母なんて当然見たこともなく
【障がいをもつ姉】を育ててきた分、とても強い人

だけどそんな母が私の足元で泣いている、号泣している

私は正直、不思議でたまらなかった
そりゃ娘が「病気です」と言われたら
親としては悲しいのは当然…か…
だけどここまでなるのか…？

そんな母を見て
涙を堪えすぎて、目を真っ赤にしている父を見て
私もとても辛かったけど、母のその行動はとにかく不思議だった

でも後から分かった
泣き崩れた母は、その時
【１型糖尿病の恐ろしさ】を家族の誰よりも知っていたのだ

確かに、［今］
１型糖尿病の辛さ、怖さを知っている私が宣告されていたら

多分、消えたかったと思う
どこかから飛び降りた方が楽だろう

逆にこの辛さを知らないからこそ、今までやってこれた

帰り際
私よりも悲しむ両親の背中はとても辛かった

エレベーター前まで見送り
エレベーターのドアが閉まるまで
笑えなくても
普通の顔で手を振ろうと思ってたのに
涙を堪えることで限界だった

ごめんね、お母さん
こんな身体になってしまって
お姉ちゃんのことだけでも辛い思いしてきたのに
私まで病気になってしまって…

やっと、やっと、
やりたい仕事が見つかって、

アルバイトしながら、学校に通って
資格をとって
働きたい場所で
最高の職場の人に恵まれて
やっと、【自立】に足を踏み入れれたのに

どうして自分なんだろう
そんな簡単に受け入れれることもできず

ご飯も喉に通らず
ただ呆然とするばかり
私、今日から人生変わったんだ…と思うと
無性に自分を撮っておこうと思った

ここから私の人生は変わった